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小夜
第6章 あめにぬれて(承前)

何がおこったのか
何をされたのか
小夜は一瞬わかりませんでした
小夜はそれまでお兄さまに 顔を叩かれたことがありません
お兄さまは小夜を激しく鞭打つときにも
顔だけは避けていたのです
呆然とする小夜に思い知らすよう
お兄さまは小夜の頬を 何度も何度も打ちました
手加減などまったくなく
主人が奴隷に罰を下すように
お兄さまは小夜を打ち続けました
「どうして……」
ようやくお兄さまの手が止まり
小夜は泣きながらつぶやきました
願いを 希みを 踏みにじられたことを理解して
でも それが何故なのかはわからなくて
お兄さまが かけらだけでも優しくしてくれたら
小夜は……
奴隷でもかまわないのに……
涙をこぼし続ける小夜を見下ろしながら
お兄さまは言いました
「これが小夜の運命なんだ」
「小夜には呪われた血が流れているんだよ」
「兄妹どうしが獣のように交わって生まれた、汚れた、いやらしい血がね……」
何をされたのか
小夜は一瞬わかりませんでした
小夜はそれまでお兄さまに 顔を叩かれたことがありません
お兄さまは小夜を激しく鞭打つときにも
顔だけは避けていたのです
呆然とする小夜に思い知らすよう
お兄さまは小夜の頬を 何度も何度も打ちました
手加減などまったくなく
主人が奴隷に罰を下すように
お兄さまは小夜を打ち続けました
「どうして……」
ようやくお兄さまの手が止まり
小夜は泣きながらつぶやきました
願いを 希みを 踏みにじられたことを理解して
でも それが何故なのかはわからなくて
お兄さまが かけらだけでも優しくしてくれたら
小夜は……
奴隷でもかまわないのに……
涙をこぼし続ける小夜を見下ろしながら
お兄さまは言いました
「これが小夜の運命なんだ」
「小夜には呪われた血が流れているんだよ」
「兄妹どうしが獣のように交わって生まれた、汚れた、いやらしい血がね……」

