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異邦人の庭 〜secret garden〜
第15章 カーネーション・リリー・リリー・ローズ

「察しが良いこと。
貴女はやはり賢い娘だわ」
機嫌良く徳子が笑った。
「高遠家の名誉のために貴女を殺します。
…ああ、皆さんご心配なさらないで。
この屋敷は広大だから、紗耶さんおひとりの死体を埋める場所には困らないの。
…そう。あの卑しい高官もそうやってこの屋敷の庭園のどこかに埋めたのですから…。
ねえ、七重?」
振り返る徳子に控えていた侍女の七重が恭しくお辞儀する。
「…御意。大奥様」
無表情の貌と声からはその心情は一切読み取れない。
徳子の短剣は紗耶の白く細い首筋を舐めるように丁寧になぞる。
「…けれど、私にも温情はあります。
今ここで貴女が悔い改め、その男を綺麗さっぱり忘れると約束したら、命だけは助けてあげましょう」
…さあ、どうしますか?
ゲランのミツコが冷たく、濃く、纏わり付いた。
貴女はやはり賢い娘だわ」
機嫌良く徳子が笑った。
「高遠家の名誉のために貴女を殺します。
…ああ、皆さんご心配なさらないで。
この屋敷は広大だから、紗耶さんおひとりの死体を埋める場所には困らないの。
…そう。あの卑しい高官もそうやってこの屋敷の庭園のどこかに埋めたのですから…。
ねえ、七重?」
振り返る徳子に控えていた侍女の七重が恭しくお辞儀する。
「…御意。大奥様」
無表情の貌と声からはその心情は一切読み取れない。
徳子の短剣は紗耶の白く細い首筋を舐めるように丁寧になぞる。
「…けれど、私にも温情はあります。
今ここで貴女が悔い改め、その男を綺麗さっぱり忘れると約束したら、命だけは助けてあげましょう」
…さあ、どうしますか?
ゲランのミツコが冷たく、濃く、纏わり付いた。

