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異邦人の庭 〜secret garden〜
第15章 カーネーション・リリー・リリー・ローズ

「紗耶ちゃん!
お謝りなさい!
紗耶ちゃん!」
絶叫のような、紫織の声が響いた。
「大お祖母様に…今すぐお詫びして…!
お慈悲を乞いなさい…!
お願いよ、紗耶ちゃん!」
血を吐くような激しい紫織の声が、紗耶の胸に突き刺さる。
…けれど…。
「…私…殺されたくはありません。
でも、自分に嘘は吐けません。
千晴お兄ちゃまは大好きです。
お兄ちゃまは私の大切な初恋です。
その気持ちに嘘はありません。
…でも、先生を愛しています。
先生が私から去っても…私はいつか先生に辿り着きたい。
いいえ、必ず辿り着いてみせる…!
だから、悔い改めません…!諦めません…!
…例え、ここで大お祖母様に殺されても…!」
毅然と叫んだ瞬間、短剣の鋒が頸に微かに食い込んだ。
紫織が悲鳴を上げ、床に崩れ落ちる。
政彦が意を決したように唇を引き結び、上座の千晴を見上げた。
「千晴、紫織を頼む」
千晴が素早く立ち上がり、紫織の元に足早に近づく。
そうして、さながら宝物を懐くように抱き上げた。
「紫織さん!しっかりしてください…!」
政彦は徳子の前に進むと、感情を押し殺した低い声で訴えた。
「大お祖母様。
私の話をお聴きください」
お謝りなさい!
紗耶ちゃん!」
絶叫のような、紫織の声が響いた。
「大お祖母様に…今すぐお詫びして…!
お慈悲を乞いなさい…!
お願いよ、紗耶ちゃん!」
血を吐くような激しい紫織の声が、紗耶の胸に突き刺さる。
…けれど…。
「…私…殺されたくはありません。
でも、自分に嘘は吐けません。
千晴お兄ちゃまは大好きです。
お兄ちゃまは私の大切な初恋です。
その気持ちに嘘はありません。
…でも、先生を愛しています。
先生が私から去っても…私はいつか先生に辿り着きたい。
いいえ、必ず辿り着いてみせる…!
だから、悔い改めません…!諦めません…!
…例え、ここで大お祖母様に殺されても…!」
毅然と叫んだ瞬間、短剣の鋒が頸に微かに食い込んだ。
紫織が悲鳴を上げ、床に崩れ落ちる。
政彦が意を決したように唇を引き結び、上座の千晴を見上げた。
「千晴、紫織を頼む」
千晴が素早く立ち上がり、紫織の元に足早に近づく。
そうして、さながら宝物を懐くように抱き上げた。
「紫織さん!しっかりしてください…!」
政彦は徳子の前に進むと、感情を押し殺した低い声で訴えた。
「大お祖母様。
私の話をお聴きください」

