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生け贄企業
第1章 生け贄企業


6月20日のことであった。

ところ変わって、市の中心部にある小学校の体育館にて…

4月30日に発生した凶悪なテロ事件で犠牲になったショッケンの従業員さんたちの遺体をおさめた棺がところ狭しとならんでいた。

遺体の復元作業にかなりの時間を要したので、ご遺族のみなさまはひどくヒヘイしていた。

体育館の館内に、ご遺族のみなさまの泣き叫ぶ声が響き渡っていた。

愛媛県警の捜査1課の刑事たちは、事件の首謀者であるスナイパーの身元を割り出す証拠がとぼしいので、お手上げ状態になっていた。

甚大な痛手をこうむった製造工場は、穴を埋めるために千葉県にある工場の従業員さんたち400人を急きょ移動させることを決めた。

富田新港のキューデンは、8人の従業員さんの穴を埋めるために、海外に駐在している駐在員の一部を帰国させる措置を講じた。

しかし、事件はそれで終わりと言うわけではなかった。

それからまた時は流れて、6月23日のことであった。

家出をして行方不明になっていた龍磨が伊予市の警察署に保護された。

龍磨は、臨子が身元を引き受ける形でイヤイヤ家に戻った。

孫市夫婦は、龍磨が職場放棄をして家出をしたことはとがめなかった。

龍磨の言い分を聞かずにとんとん拍子でショッケンの就職を決めたことに気がついた孫市夫婦は、もう一度やり直しすとを決意した。

6月24日の午後のことであった。

家の1階の大広間に、ショッケンから取り寄せたお仕事が山のように積まれていた。

製造ラインで作ったレトルトの調味料(焼き肉のタレ『王宮』)と製品を詰める箱のもとの段ボールである。

工場に出勤することがイヤと言うた龍磨のために、臨子が会社の人に内職に変えてくださいとお願いしていた。

孫市夫婦と臨子は、龍磨に過度にやさしい声で『一緒に仕事をしよう。』と呼びかけたが、龍磨が激しく反発したので、大ゲンカになってしまった。
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