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お嬢様は幽霊執事にお困りのようです
第1章 1
「いや......取り憑かれたりとか......襲われたりとか......」

「ええ、まぁ正解です。ですが、私にそんなことを言って通じると思いますか? それを聞いた所で精々手加減するか、どうか。といった所でしょうか」

「............」

 相変わらず人を小馬鹿にしたような慇懃無礼な態度で彼はそう告げる。クスクスと私を笑い、子供扱いでもするように頭を撫でる。

 「まぁ、貴女のような小さな方なら初めてでも可笑しくはありませんね。あ、お気になさらず。私は大丈夫ですので」

「...............」

 何が大丈夫だ、ふざけてんの?

 反射的に掴まれてない手で頭を叩いてやった。身体は動いたけど、当然掌はすり抜ける。

 ずるい。向こうは触れるのにこっちは触れないとかずるい。

「お嬢様は少々お勉強がお得意で無いようですね。ですが、興味は湧きましたよ。一体どのような生活を送っていれば、そんなにも霊を人と同じに見るのでしょうね」

「馬鹿って言いたいわけ!? 大体あんただって元は――ひゃっ」
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