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お嬢様は幽霊執事にお困りのようです
第1章 1
 風に乗って、なんだか身に覚えのある香りが――。

 何だろう? そう思い瞳を上げれば、その人と目が合う。私が居ることに今気付いた、といった所か。そして驚いたように目が見開かれる。

 ――ど、どうしたんだろう。ていうか......この人......。

 ――――めちゃくちゃ格好良くない?

 本当に――目を見張るような美青年だった。
なんというか、こんな烏みたいな格好してなければ王子様みたいな――そんな人。

 こちらも目を開いて思わず彼を観察してしまう。
 透き通るような美しい肌。ポニーテールにされた綺麗な長い髪。少し煤けた燕尾服。そして、服越しに少し透けて見える景色――。

 ん?

 ん??

「............」
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