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ひと夏の恋……そして……
第8章 彼との深まる愛

「今日も悪いな」

「そんなこと気にしないでよ。夏樹は風邪を治すことだけ考えてよ」

「そうだよ。民宿の方はふたりで手伝ってるから」

毎日のように民宿を手伝い、お昼になると夏樹の部屋に向かった。
私たちより長引いている風邪も昨日よりは大分良いようでホッとする。

「和泉、悪い水を――」

「真緒、お水持ってきてもらえる?」

「あっ、本当だね。」

和泉に言われ、ベッドサイドに置いてあるペットボトルが空なのに気がついて下に行くと、おばあちゃんがお粥を作ってくれていてそれも持って2階に上がった。
昨日よりはスムーズにお粥を食べる姿を見て快方に向かっていることがよくわかる。
この調子だと、あと一週間もしないで元気になるだろう。

「おばあちゃんが私たちの分のお昼も作ってくれてたよ。お粥渡したら降りておいでって」

「そうなんだ。おばあちゃんのご飯おいしいんだよね。夏樹も食べ終わってるから僕たちもお昼にしようか」

和泉の言葉に夏樹はさみしそうな顔をするけど、私たちもお腹がすいているから下に降りてお昼を食べることにした。


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