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ひと夏の恋……そして……
第8章 彼との深まる愛

「大丈夫?」

ぐったりする私の頭を撫でる手が優しくて、このまま眠ってしまいたいと思うほど全てが心地よかった。

「眠そうだね。アラームかけて少し寝ようか」

ポケットからスマホを取り出しアラームをセットすると、お互いに抱きあって眠ることにした。
真夏の閉め切った部屋で抱き合うのは暑いけど、それ以上の幸せに離れるという選択肢はない。
ギュっと抱きしめられる感じが心地よくて瞼を閉じればすぐに眠りに落ちていた。
アラームが鳴り瞼を開くと、辺りはうっすらと明るくなり始めた頃だった。
おはようと言葉をかけられ目覚めのキスをされたのは生まれて初めてで、気恥ずかしさから和泉の胸に顔を埋めて誤魔化した。
暫く身体を寄せ合い、完全に明るくなる前にそれぞれの家に戻り、民宿で和泉に会った時は気恥ずかしくて視線を外してしまった。
それでも一緒に傍にいられる時間がうれしくて、時間が許す限り和泉の傍にいた。
お昼は一緒に働き、夜は和泉と抱き合ってぬくもりを感じる。
最後まですることはなくても、お互いの肌を感じることができることが何よりも私を安心させた――……


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