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ひと夏の恋……そして……
第6章 忘れられない夏

「あらっ、夏樹ちゃんいらっしゃい。その子がお友達の和泉ちゃんね」

叔母さんには夏樹の大学の友達が来たから暇になったと伝えていたから、夏樹と和泉さんが店に顔を出しても驚きもせずにカウンターを進めた。

「この島の一番のお勧めのレストランってここだからね」

「そんなこと言うとサービスしないといけないわね」

叔母さんとにこやかに話をする夏樹たちを見ながら忙しい店内を駆けずり回っていた。
3年目となると私もそれなりに忙しい。
店内は私だけで回し、叔母さんとソンちゃんは厨房の中を切り盛りする。
お昼はそれで問題ないけど、夜になると面倒なお客さんも増えて叔母さんも店内に出ることも多かった。

「お姉さん!ちょっとここに座って一緒に飲もうよ!」

酔っぱらったお客が今日も声をかけてくる。

「ごめんなさい。今は仕事中だから」

こう言えば大抵のお客さんは諦めてくれるけど稀にしつこい客もいる。
最悪なことにこの客がそうだった。


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