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ひと夏の恋……そして……
第6章 忘れられない夏

「それより、本当に僕お邪魔なかった?お邪魔だった帰るよ」

「だ~か~ら~。違うって言ってるだろう。それより用事があってここまで来たんだろう?じゃなかったらこんな島までこないだろう」

「あっ……うん、そうなんだけどね」

やっぱり夏樹の違うという言葉に寂しさを感じながら、今のこの状況でその言葉を確かめることができなかった。
ただ友達の前だから照れているだけかもしれないと自分の心をごまかしてはみたものの、夏樹にとって私はどういう存在なのかと考え始めていた。
そんな私の心に気が付かない夏樹は、言葉を濁して話をしない和泉さんを気にするばかりで私を見てはくれない。
さっきまではあんなに近くにいたのに、なんだか遠い感じがした。

「お前がここまで来るってよっぽどの事だろう?それも事前に連絡もなしに。俺ができることがあれば手を貸すから言えよ」

言葉を濁して本題に入ろうとしない和泉さんに根気よく付き合い、彼の口からここに来た理由を聞き出そうとする。


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