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ひと夏の恋……そして……
第6章 忘れられない夏
私は夏樹の勘繰るなという言葉に寂しさを感じながら下に降り、台所におばあちゃんがいたから断りを入れて冷たいお茶を持って2階に上がった。
ドアを開けると楽しそうに笑う夏樹は私の知らない人のようで、やっぱり寂しさを感じた。

「悪いな」

お茶をテーブルに置くと、夏樹は私と同じで喉が渇いていたのかコップの麦茶を飲み干した。

「和泉も飲めよ。この島は暑いんだから体調管理はしっかりとしろよな」

「うん、そうだね」

夏樹の言葉に和泉さんと呼ばれたお友達は頷いて一口だけ飲んでテーブルに置いた。
そして私の方に向いて改まって自己紹介をされた。

「夏樹の大学の友人の高瀬和泉(たかせ いずみ)です。急に押しかけちゃってごめんね」

「いえ……財部真緒です」

私も慌てて名乗ると、真緒ちゃんねとやさしい微笑みを返してくれた。
夏樹と対照的に色白でお人形さんみたいな人だった。



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