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蜜な時間はあなたと共に
第3章 復活ライブ

春人の歌声が軽やかに吹く風と共に私達の耳に届いた。
その声は以前よりも伸びやかで、艶っぽい低音ボイスに更に磨きが掛かっているように感じた。
歌唱力が以前よりパワーアップしてる…
ポリープを摘出して喉の調子が良くなったのもあるけど、それ以上にボイストレーニングで術前より歌えるように頑張ったんだ…
「………」
春人の歌声に圧倒されて、水を打ったように静まり返る客席を前に、モニターに映る春人は困り顔に…
すると、あちこちからパチパチと拍手が起こり、波紋のようにそれが広がっていく。
「ハルくーん!」
「春人ーー!!」
「「おかえりーー!!」」
拍手と共に送られる温かい言葉に、春人は目尻を少し押さえて後ろを向いた。
しばらくして振り向くと、少し照れ臭そうな表情をしてスタンドマイクの前に立った。
「ありがとう、帰って来たぞー!スカイステージー!!」
そうシャウトしながらギターを掻き鳴らすと、ドラムがカウントを取って、Blue Eyesのライブが始まった。

