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第3章 復活ライブ

ステージの袖から春人達が現れると、声がより大きくなる。
モニターに映った春人の顔を確認すると、やはり緊張しているのか表情が硬い…
復帰明けのライブでこれだけお客さんが詰め掛けてたら、緊張するよね….

すると、ドラムセットの前に座っていた谷さんが立ち上がり、春人の傍に駆け寄り、頭をポンポンと撫でながら抱き締めた。
涼介さんと松田さんも谷さんに倣い、春人の傍に行って頭をグリグリしたり、肩を抱き寄せたりしていた。

メンバーの春人を思いやる気持ちがステージ全体に溢れ、始まったばかりなのに泣いてしまった。
泣いているのは私だけじゃなく、周りからも鼻をすする音が聞こえた。

メンバー全員とハグを終えて、ギターを抱えて右手を挙げると、客席のざわめきは一瞬で止まった。
春人の雰囲気からいつもの口上は無く、どんな言葉を発するのか皆固唾を飲んで見守っていた。

「今奏でよう この時を生きる仲間達と 悲しみも愛しさも 全て込めた誓いの言葉を」