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あなたからは逃げられない
第21章 新人研修中の出来事

そして龍輝さんは私の手をギュッと握り店の方へと歩いていく。
店員さんに一言声をかけ店を出てコインパーキングへと向かった。
車のドアのロックを解除すると助手席のドアを開け私を車に乗せるとスマホを手に誰かに電話をかけ始めた。
「会長お疲れ様です。
仕事でちょっとこっちに来てて葉月と食事してたんですけど飲みすぎて寝ちゃったんでこのまま寝かせてやりたいと思います。
明日の朝必ず本部まで連れていきます。
はい。
はい、おやすみなさい。」
どうやら電話の相手はパパだったらしい。
「さて、ちょっとドライブしてからホテル戻るか。」
私が食事に行くと聞いて念の為にとったホテルに泊まるからと言われ…
少し離れた海へと車を走らせている。
「何から何まで本当にごめんなさい。」
「ははっ!なんで謝んの?悪いことしてねぇしホッとしたら腹減ったわ。」
「ご飯食べてないの?」
「仕事終わってすっ飛ばしてきたからな。」
普段本当に激務の彼にここまで心配させて食事する時間も与えられなかったことにさらに申し訳ない気持ちでいっぱいになってきた。
「海行ってちょっとしたらホテル戻るから。ホテルで何か食うよ。」
そう言って彼は私の頭を撫でハンドルを握っている。

