この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第2章  〝岬〟 


    ◇    ◇


 それから、五日後の朝のこと。

「……!」

 部屋の中にいるわたしは、アパートの外から聴こえた物音に敏感に反応する。

 引きこもりの自分にとって、それはいつもと同じようではあったが、今に限っては怯えているわけではない。むしろ、その逆だ。

 足音が隣人のものだとわかり、ため息をつくと、スマホで時刻を確認する。もう午前の六時半だ。

「ちょっと、遅い……」

 思わず呟いている。バイトは五時までのはずだから、ゆっくり歩いても六時前には着くと思っていたのに……。


【バイト後にいくから】


 均くんからのそのメッセージは、昨夜にあった。

 この間コンビニの前で話してからも、買い物で訪れた際に均くんとは顔を合わせている。だけど特に話せたわけではなくて、彼の対応も普通の店員としてのものだった。当然、他のお客や同僚の手前もあるから、それは仕方のないことだと思っている。

 一応メッセージのやり取りも何度かあった。でも、彼からの返事は総じて事務的なものだったように思う。少なくとも、最初のころのような高揚した雰囲気は感じなかった。

 変に考えすぎだろうか。だけど――

「いいのかな……本当に?」

 あの時の均くんの言葉が、ふと脳裏をよぎる。

 均くんの態度が急に冷ややかになった気がしたのは、あの後からだった。

/376ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ