この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第2章  〝岬〟 


「えっと……? ど、どうして急に……」

 店から出てきた美里さんにそう聞かれて、均くんが困ったようにこちらを見ている。そんな彼に変わって、わたしは振り向きざまに言った。

「違います!」

 その答えは当然のこと。わたしが均くんの恋人になんか、なれるはずがないから。地球が回っているのと同じレベルで、考えるまでもない事象だった。

 その点に関して均くんがどう思ってるかなんて、この時のわたしに考える余裕などなかった。

「へえ、違うんだ」

 美里さんという女の人は、わたしの顔を試すように眺めてから、その視線を均くんの方へ流した。

「そう、みたいです……ね」

 そう口にしている均くんは、ちょっぴり元気がなさそうに見える。

 そんな彼とわたしの顔をもう一度見比べ、美里さんは言った。

「フフ、なんか面白そう。二人って」

 彼女はすれ違いざまに、わたしに耳打ちをする。

「でも、そんなこと言ってると、私が取っちゃうかもよ」

「……?」

「まあ、今のところは冗談だけど――じゃあ、まったねー!」

 と、缶コーヒーを持った右手を上げて、彼女は夜の帳の中へ消えて行った。

 もしかして彼女も、均くんのこと?

 そう考えると、少しだけこの胸が騒ぐ気がした。

/376ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ