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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第2章 〝岬〟

すると均くんは気まずいような、それでいて申し訳なさそうな顔をすると、髪を少し掻いた。
「ごめん」
「ち、違うの! あやまるのは、たぶん、わたしで……」
「み、岬ちゃん……?」
「あんな道具を渡して、あんなことをさせて……その上。だから、嫌われちゃったんじゃ、ないかって不安で……」
そう言っておそるおそる顔を上げると、均くんはいつもの笑顔を浮かべる。わたしが好きな、いつも通りの安心をくれる笑顔だった。
「朝も言った通り、嫌いになんて全然なってない。僕の方こそ、戸惑っていたんだ。岬ちゃんの前で、あんな風に変わったこと。その時に、したことだって……」
「それは……後悔してるから?」
均くんは首をゆっくり横に振った。
「そうじゃないんだ。でもね、あのメッセージのことなんだけど……じ、実は……」
なんだか、とても言いにくそうに口ごもった。
「わたし、本当に嬉しかったんです」
「え?」
「だから、できれば……また」
なんてことを言うのだろう。自分でも恥ずかしくなって、わたしは視線をそらした。
すると、熱くなった頬を覗き込むように、均くん真剣な顔になった。
「岬ちゃんは、それでいいの?」
「はい」
迷いなく返事をした時だ。コンビニのドアが開き、背後からこんな声が飛んだ。
「ねえ、ひとつ聞いてもいいかな?」
「え……?」
「二人って恋人同士なの?」

