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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第2章  〝岬〟 


 均くんが帰って行くと、一人になったいつもの部屋で、ふっと息をついた。

 それから身に着けたものを全て脱ぎ去り、全裸のままバスルームに入ると、姿見の前に立つ。

「……」

 こんな風に鏡の中の自分を見つめたのは、いつ以来のことだろうか。

 この裸を均くんに見せたら、どんな顔をするだろうと考えてみる。Bカップ程度のふくらみに、劣情を抱いてもらえるだろうか。アンダーヘアの濃さは彼の好み? それとも――?

 少し考えただけで、胸の奥がぞくりとする。

 熱めのシャワーを肩口から浴びた。目を閉じて、お湯の当たる位置をにわかに変えて、その感触を自然とさっきのバイブレーションに見立てる。

『フフフ、岬ちゃんはエッチだな』

 声音を変えた、均くんの言葉が脳裏に鳴った。

『ココが、感じる?』

 うん……感じる。

『もっと、気持ちよくしてあげよう』

 お願い……もっと。

『感じている顔を、よくみせてごらん』

 恥ずかしいよ……どんどん、熱く、なって。

『もっと、ひろげるんだ。全てをさらけ出すように』

 んっ……そんな、ところ……ああっ!

 ノズルを持つ手と反対の左手が、お湯の流れに倣うように肌の上を動く。まるで自分の意思を解かれたかのように、自然に。

 胸のふくらみを、じんわりと掴んだ。五本の指が埋まり込む感触が、鼓動を強く早くさせる。おへその辺りを撫でつけるようにしてから、更に下へ。

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