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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第7章  タモツ 


「だけど、それはあくまで友達として、たぶん。それを正しく認識できないまま、つき合って何度も身体を重ねている内に、いろいろな感情が不透明になってしまった。そう思うからこそ、今度は流されないつもり。だから、希を支えるということが、希とつき合うこととイコールではない。今のところは、それが私の気持ちなんだ」

 遠い目をして語り終えてから、美里さんはつと僕に視線を向ける。

「だから今回は、おあいこってことにしてあげる」

「!」

「オマケだからね」

 僕の方を振り返り、美里さんは笑った。

 僕からなにも返せないのは「ごめんなさい」でも「ありがとう」でも、今の子の気持ちを伝えるのに、どちらも相応しくなかったから。

 僕が部屋を出ようとした時。

「あのね、均」

「はい?」

「ううん。なんでもない」

 そうやって、美里さんは言わなかったけど。なんとなく、言いたいことはわかった気がした。

 たぶん、それは僕も同じだから……。

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