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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第7章  タモツ 


 日付が変わり午前二時。コンビニにてバイト中。

「よーし。雑誌棚の方は俺がやっとくから、床の清掃たのむなー」

「わかりました。でも、レジは?」

「ああ? 俺がやるに決まってるだろ」

「え?」

「なんだよ。その顔は!」

「いやっ、なんでもないっす……」

 いつになく真面目に仕事をこなす先輩の姿に、激しい違和感を覚えた。

 でも、まあ当然といったら当然だろう。というか、同じような時給で働いているんだから、普段からちゃんとやってほしいものだ。

「にしても、冴えねーな。春休みにせこせこコンビニのバイトとはね」

「サークル仲間で、旅行とか行かないんですか?」

「誘いはあるけど、金がねーよ。ウチの親父は普通のサラリーマンだし、弟も来年には受験だからな。仕送り少ねーし、春休みには他にもバイト入れてる」

「そうすか」

 前にちらっと聞いたけど、本当に結構苦学生なのかも。いつもはムカつくけど、こんな話を聞くとちょっと見直してしまう。

「お前は、なんかいい話ねーの?」

「僕ですか?」

「ほら、ちょっと前に彼女できたとか。わざわざメッセージ見せびらかしたよな」

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