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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第7章 タモツ

美里さんとつき合ったのが、岬ちゃんに突き放された後というタイミングであったことは間違いない。だからといって、心の虚しさを埋めるためにつき合ったわけでもない。
あんな美人に言い寄られたら誰でも、という点では否定はしきれないのだろう。それでも、僕が美里さんとつき合ったのは、彼女に魅かれたからだ。それも、普段は見せない内面にこそ魅かれている。
そして美里さんの方にも、僕を気にかけてくれた理由がある。ずっとそれがわからずに不安だった僕にしてみれば、話を聞いて素直に嬉しく感じた。
さっき考えたように、確かに引け目はある。結局は岸井さんの事情を頭から外すことなんて、僕にも美里さんにもできないだろうけど、それでも素直な気持ちはちゃんと伝えるべきだ。
【明日の朝、もう一度ちゃんと話そう】
〖うん。わかった〗
「よし……」
簡潔なメッセージのやり取りを確認し、夜のバイトの時間まで眠ることにした。

