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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第6章 美里晶

「どんな感じって、美里さんとのことが?」
「それ以外にないでしょ。私の方はね、見てわかるくらい結構ウキウキなわけ。なのに、均の方は、まだ気をつかってるってゆーかぁ。そういう温度差を感じるの」
「そ、そんなことないです。ただ――」
「ただぁ?」
「今でも信じられないっていうのか……僕が美里さんと、なんて」
「また、それぇ? 何度目だよ!」
「ごめんなさい! でも、仕方ないんです。いつでも、なにをしても思い通りにいかなくって、悩みが消えた時なんてなかったし……」
俯いてそう話した均が、今度は私の方を見つめた。
「美里さんのこと、別世界の人のように思えてました。だから一緒にいても、居場所を見失いそうになるんです。ホントに、ここにいてもいいのかなって……」
「……」
「あ、なんか、変なこと言っちゃっいましたね。すみません。適当に流してください」
頭を掻きながら、均は照れたように笑っている。
言われたように流してしまえばいいのに、私はまたしても余計なことを言おうとしている。それも、酔っているせいなのか。でも、それを感じてしまった以上は無視はできない。
「あの子が、気になるんでしょう」
「え?」
「どてらに眼鏡の、あの子のこと」
均から言わないなら、私から踏み込みしかなかった。

