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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第6章 美里晶

【元気にしてた? 晶は確かS大だったよね】
メッセージの主は、高校時代の元親友の――希。
【今、どこにいるの?】
すなわち、彼女は私のはじめての相手だ。
【ねえ、会おうよ】
だけど、希は――
「な、なんなの? 急に……」
今このタイミングでは、一番顔を合わせたくない相手かもしれない。とても端的なメッセージひとつひとつから、只ならぬ意思を感じてしまったから。
〖ホント! 久しぶり〗
〖こっちは相変わらずだよ。希こそ元気にしてた?〗
〖今日は無理だけど、また今度なら〗
そんなありきたりなメッセージを立て続けに打つと、スマホを持った手をだらりと下げる。立ち竦んだ背中に、嫌な汗が滲んでいた。
「……」
高校に入学して一番最初に仲良くなった友達が、岸井希だった。そして高校二年の時に告白され、約一年間を恋人としてすごしている。
別れたきっかけは、今となっては些細な行き違いだったように思う。その後も卒業するまで頻繁に顔を合わせてはいたけど、入学時と同じように友人関係に戻れたはずもなくて……。
私は同じ女子校の後輩と、希も他の誰かと、それぞれ別の相手とつき合いはじめていた。そんなこともあってか、別れて以来、話すこともなかったし、卒業してからも連絡を取り合うことはなかった。
それだけに、約三年ぶりのメッセージに動揺する。

