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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第6章  美里晶 


 まあ結局は、こちらから迫りまくってしまったわけだけど、結果的にはそれでよかったと思っている。

 大学生になってからも、つき合った相手は女の子ばかりだった。言い寄ってくる男もそれなりにはいたけど、遊びなれたような相手では逆にこちらが委縮してしまう。

 彼らは勝手に〝いい女〟というイメージに私をはめ込もうとしていたし、その文脈に倣えば、さぞ恋愛も派手にしてきたのだと思われるのも必然。

 その実、男性経験がないことを自然と引け目に感じ、必要以上に臆病になった。だから私としては、均の繊細で臆病なところにも好感を抱いたのだ。

 つき合った女の子は誰も、私には優しかったから、過去を否定する気持ちなんて一切ない。それでも私は流されて辿り着いた場所を、いつしか窮屈だと感じるようになった。

 自分のセクシャリティを見失いかけて、疲れ果てていた私は、とにかく変化を求めていた。その時に出会ったのが、均だ。

 今はなにより、女でいられる実感が嬉しい。

「あ、均かな?」

 メッセージの着信を耳にして、私はポーチからスマホを取り出すが。


【晶。久しぶりだね】


「……!」

 それは均からではない。意外な相手に驚く間にも、新たなメッセージは次々に送られてきていた。

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