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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第6章  美里晶 


 とにかく、そんな不便なことも含め、今は楽しい毎日だ。

 中学生の時に憧れた、少女マンガのような恋愛とはもちろん同じではないけれど、今はそんなことだって、どうでもいいと思える。

 それくらい、均に夢中だ。


【明日の夜はバイトが休みです】

〖ホント?〗
〖じゃあ、ウチでゆっくりできるね♡〗

【いいんですか?】

〖いいに決まってるじゃん〗
〖つーか。はじめて以来ご無沙汰なんですけど笑〗

【アハハ……】
【時間が合わなくて、ごめんなさい】


 つき合い始め、毎日のようにメッセージのやり取りをするようになって、二週間くらいが経つ。

「まったく。いつになったら敬語を改めてくれるわけ?」

 ゼミのレポート作成に立ち寄った大学の図書館。昼下がりの緩和した空気の中で、スマホの画面を眺めつつ独り言を呟いた。

 はじめての夜は私を抱く最中に「晶」と呼んだはずなのに。でも、こちらから強制すると却って変な感じになって、新鮮味が薄れてしまうかもしれない。

「ま、いいか。とにかく明日だ」

 明日に想いをはせ思わずにやけつつも、積み上がった資料に目を通してゆく。

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