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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第5章 均

「食事……ですか?」
「あーあ、もう忘れてるよ。メッセージでも口頭でも、こっちは何度も誘ってるんですけどぉ。いい加減、はっきり返事しないとキレるからね」
おどけてそう言った美里さんの顔は、今までに抱いた〝完璧な美女〟というイメージの殻を破り、かわいらしい女性に思えた。
昨日見た弱々しい姿もそうだけど、こうして違う一面を見せてくれたことによって、その魅力が倍加するかのようだ。
うっ……!
しかしその美里さんの背後に、不快そうに顔を歪めた先輩の存在を見つけ、僕は慌てて会計を終わらせると、コーヒーを手渡しながら小声で告げた。
「明日なら、バイトが休みですけど」
すると美里さんは、ニッコリとした微笑を称える。
「オッケー。じゃあ、明日。絶対だからね」
そう言って、コンビニを後にした。

