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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第4章 岬?

◇ ◇
既にかなり前の段階から、見るに堪えなかったのだろう。
「み、岬ちゃん……これ、は?」
パソコンの画面を注視していた均くんが、そこに映されたものが〝なにか〟を訊ねた。もちろん、その行為自体にはこれ以上の説明は不要だろう。
だから端的に、わたしはこう答えるのだ。
「わたしが、犯されている――その動画です」
「……?」
その後暫く、均くんは言葉を失っていたみたいだ。
たぶん「誰に?」とか「いつ?」とか「なんで?」とか、そんな疑問を思い浮かべたはずだけど、優しい均くんはそれより先にこちらの気持ちを気づかってくれたのだろう。
そうだ。こんな動画の中の出来事は、彼のような清廉な人には無縁の世界のこと。だから言葉も見つけられず、ひたすら困っている。
強いショックを受けてしまったのかもしれない。
それを申し訳ないと思い。更にこんなわたしに関わらせてしまったことを、申し訳なく思うから。
わたしは既に脳裏に思い返した〝この後〟のことを均くんに話して聞かせることにする。それこそが〝岬〟であろうとした理由であり、わたしがあらゆる資格を失っていることを示す出来事だ。
それは〝とある待合室〟の場面――。

