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永遠の愛を奪って
第22章 プロポーズ

うじうじしている私を見て険しい表情をした土嶋さんは個室に入り、用事が済んでからさっさとトイレから出て行った。
何度も自分の悪いところを指摘されてきたけど、ごもっともだから反論できない。
せっかく来たから少し乱れてしまった髪を整えてからトイレを出よう……。
くるんと跳ねた毛先を直すのに苦戦してから廊下に出ると、近くの窓から外を眺めて立っている祐がいた。
「たっ、祐っ……!」
せっかくやって来たチャンスをもう逃したくなくて透かさず声を掛けてみると、すぐに気づいて私の方へ近づいてきてくれた。
いつもと同じネクタイを締めてスーツを着ているのに、この会社でその姿を見れるのが最後だと思うと付き合う前の頃のようにどこか新鮮に見える。
「小春がトイレの近くで待ってるって葉月から聞いたから来たんだけど」
どうやら土嶋さんが呼んできてくれたようだ。
情けない私の気を引き締めてくれた上に読んできてくれるなんて……。ここまでされたら頭が上がらない。
今度こそはその行為を無駄にしたくなくて私は祐に向かって頭を下げた。
「昨日の夜と今朝はごめんなさい」

