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永遠の愛を奪って
第20章 小春の望むこと



お婆ちゃんも風呂から上がって一階にある寝室に行っているのか家の中はとても静かで、唇を重ねて話す時にちゅっと微かに音が聞こえてくる。


キスをしているうちにいつの間にかまた畳の上に体を倒していて、正面にいる祐が私を見下ろしていた。


夢を語っていた時は笑っていたけど、よく見ると切なそうな瞳をしている。


恥ずかしくなって顔を読緒に向けようとした時、熱を測るように私の額に祐はおでこをそっと当ててきた。


「本当に大丈夫か?」


「うん。平気だから明日も仕事に行くよ」



「無理するなよ。……一軒の店に花屋とパン屋があるのも面白い組み合わせだと思ったけどな」


「それ、私も思った」


「小春も、か……。パン屋を継ぐ方を選んでいたら、ここで小春とずっと一緒にいられたのかな……」



「……どうなんだろうね」


どっちにしろ私が異動するなら同じことだ。離れる時はやってくる。


この不幸のジンクスから逃れるには、私の中でひとつしか答えがなかった。


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