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永遠の愛を奪って
第20章 小春の望むこと

「祐……。私たちってさ……、この先……」
「えっ……、なんだ……?」
「……この先も仲良しだよねって」
ここまで進んでもやっぱり言えない……――――
「もっ、もちろんオレもそう思ってるよ!あっ、そういえば、小春の飾った白い桔梗はまだ咲いてるな。寒いからすぐに萎れるのかと思ってた」
祐が見た方に私も体を向けて同じ花を目にする。
引っ越してきたばかりの部屋のように物が少ないから、テレビもないこの場所で目立っていた。
私が好きな花を祐も見てくれて春のふわりとしたような暖かさを心で感じる。
娯楽もない静かな部屋で重要な話をすることはできないままだけど、何気ない会話ができるこの時間も幸せだった。
「うん。桔梗は夏から秋に咲く花だから私もそう思った」
「小春が一番好きな花はそうなのか……」
「……桔梗の花言葉は清楚や誠実とかいい意味もあるんだけどね、怖いっても言われているんだよ。
変わらない愛って意味もあって、死んでしまった愛する人を桔梗の花を見てずっと待ち続けたとか昔話もあるんだ」

