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永遠の愛を奪って
第19章 溺愛とさよならの決心

きっと私が「桔梗が好きだ」と奥さんに話したから贈り物をそれにしたように思える。
孫である私が喜べば、お婆ちゃんも喜ぶから……。
二人ともとても優しそうな顔していたし、悪意があって同じものを選んだとは考えられない。
「旦那さんだけ?奥さんは一緒じゃなかった?」
「珍しいことに一緒じゃなかったねぇ。何があった分からないけど……」
「ふーん。この時期にわざわざ花を買ってきてくれるなんて流石有名人……。なんでそんなにお礼をされるほどお婆ちゃんは関わりがあるわけ?」
「事件が起きてから近所の人たちに非難されていたんだけど、ばーちゃんがそこを庇っていたからかねぇ~」
祐ともすぐに仲良くなるし、こうやっていつも見ず知らずの人も助けてしまうのだから恐るべし社交力だ。
人から感謝されるお婆ちゃんを誇りに思うけど、人見知りをする私はここまでなれそうにない。
「お世話になりましたってことはもうその人たちは住んでいないの?」

