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処女(はじめての)寝取らせ/貸し出された若妻
第9章 寝取らせ未遂


 高木はベッド脇に置かれていたバスローブをミキに渡すと、いそいそと着替えを始めた。

 「できれば……タツヤ君が来るまで、そのままでいてくれると嬉しいな」

 「え?」

 思わず聞き返すミキ。
シャワーも浴びたいし、少しでも早く普通の自分に戻りたかった。行為の名残を夫に見られるなんて、恥ずかしすぎる。

 そんなミキの戸惑いをよそに、高木はニヤリと笑って言う。

 「その方が、タツヤ君も――俺も、興奮するからさ。寝取りとか寝取られ界隈の男って、そういうのにグッとくるんだよ」

 「…………」

 ミキは小さく息をのんだまま、言葉を返せなかった。

 「それと……」

 着替え終えた高木が、スッと名刺を取り出してミキの手に滑らせた。

 「何かあった時のために。一応ね」

 片目を閉じてウインクし、軽やかに手を振ると、高木は部屋を後にした。
残された静寂の中、ミキは膝の上に視線を落とし、名刺を見つめていた。

 こうして――タツヤとミキの初めての「寝取らせ」は幕を閉じた。

 わずか一時間足らずの出来事だったのに、ミキの中には、今まで知らなかったもう一人の自分が静かに芽吹いていた。



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