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愛おしいキミに極甘な林檎を
第31章 未来への誓い

威圧的な視線を放つ颯太に頬を膨らませる那砂さん。
二人に何を言っても言い負かされてしまいそうな状況に私は焦り始めた。
隣にいるソラ先輩の表情を確かめると案の定いい顔をしていない。
また知らなくてもいいことを知られてしまった……。
余計な心配をさせたくないからソラ先輩には知られないまま自分の中で片付けようと思っていたのに。
上手く言い返せない自分が情けなくてこぶしを作って口をつむいで俯いた。
「そろそろ飲みに行くか、那砂さん。……色々大変だと思うけどよ、早く元気になれよ。またなんかあったらいつでも力になる」
颯太は去り際にソラ先輩の肩にぽんっと手を乗せて励ましていた。
「うん……。助かるよ、颯太」

