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愛おしいキミに極甘な林檎を
第24章 離れ離れと深まる絆

「これから先もそれがずっと続いていくなら、ここでオレを選んで苦しむのは終わりにしたらどうだ」
キスを落とされそうになり、避けるように顔を横に向けるとスマホの着信音が鳴った。
頻繁にメッセージをやり取りする人は他にいないからまたソラ先輩からだろう。
早く返事をしたくなった私は放れてもらうように課長の胸をトンッと軽く押した。
「そうですね……。すごく嬉しい話です。去年のようにひとりで泣いたままでしたら迷わずに郁哉さんのことを選んでいたと思います」
「乙羽……」
「でも今は……彼氏と離れる方がずっと苦しいです」
涙が滲んできた時に体を放されて、どんな表情を向けられていたのかも確認せずに自分の部屋へと戻った。
ベッドに座ってスマホを持ち、ソラ先輩への返事を打つ。
やり取りしているメッセージの内容は何気ない話題なのに、悲しくなってきて画面に涙が零れ落ちた。

