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愛おしいキミに極甘な林檎を
第24章 離れ離れと深まる絆

『仕事お疲れさま。昨日は疲れていて当たってしまってごめんね。風子を怒ったことをずっと後悔していたよ』
安堵する優しい声色が聞こえてくると一気に寂しくなってきて目に涙が浮かんだ。
初めてする仕事が一杯一杯でソラ先輩のことを考えている余裕がなかったけど声を聞いたら恋しくなってくる。
「疲労は大丈夫なんですか?心配です……」
『大丈夫だよ。寝れば治るから。風子もゆっくり休んでね』
「はい。ソラ先輩も倒れないようにちゃんと栄養摂るんですよ」
色んなことを話したいのに離れている時に限って話したいことが思い浮かんでこなくてすぐに電話を終えてしまった。
電話を切ってから名残惜しくスマホを見ていると課長が浴室から部屋に戻ってきた。
課長が休み始めた時、私は外に出られるような格好に着替えて上着を羽織ってバッグを持つ。
「乙羽?どこに行くんだ」

