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愛おしいキミに極甘な林檎を
第21章 アナタを愛シテ逆らえない

後ろ足を外した理人さんはバシャンッと大きな音を立てて海に落ちてしまった。
泳げるのかと思いきや、バタバタともがいて溺れているようだった。
助けようとして手を伸ばしても届かない。
寧ろ、少しずつ流されていているようにも見えた。
見渡す限り私たち以外に人がいないし、すごく怖いけど海に飛び込んで助けるしかない。
バッグを置いて靴を脱ぐとソラ先輩と課長が私たちの元に追いついた。
「どうしたの?あれ、瀬戸内さんは?」
「理人さんが海に落ちちゃって……。だから助けに行こうと思います」
「なんだって!?俺が行くから風子はここにいて」
止める間もなくソラ先輩は下着以外の服を脱いで海に飛び込み、理人さんの方へ泳いでいった。
助けに行くところを見ている時、なぜなのか以前見た嫌な夢が急に脳裏をよぎる。
酷く印象的だったから忘れられない。
ソラ先輩が死んでしまう夢……。
「嫌……、そんなのは嫌……」
「おい、乙羽大丈夫か……?」

