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愛おしいキミに極甘な林檎を
第21章 アナタを愛シテ逆らえない

「そうだね。風子と色んな場所に行けてすごく幸せだよ」
薄暗い中、離れることなく手を繋いだまま綺麗な魚を見て回った。
初めてデートした時よりも緊張するようなドキドキはしないけど、心が温かくなるような安心感で満たされていた。
水族館を楽しんだ後、近くの海の砂浜に行った。
まだ海開きの時期ではないから人は殆どいない。
目の前に広がる青い空と海、心落ち着く波音。
穏やかな潮風に当たりながら小さな波がやって来るのを眺める。
「ねぇ、ソラ先輩。覚えてます?初デートで水族館に行った後、海を見ながらお弁当を食べて私が靴擦れしたこと」
「覚えてるよ。キスしようとしたら風子に避けられたこともね」
「うっ……。あの時避けたのは…、色々と複雑でしたから……」

