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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ



「東京だけで売っている珍しい物はうちには何もないですけど……」


「他人の家の冷蔵庫の中を見てしまってごめんね。……そのチョコだよ」


「チョコ……?」


何を言いたいのかと思ってまだ閉めていない冷蔵庫を見てみると、一段目の棚のスペースを大きく取っているハートのチョコが目に入った。


ソラ先輩にあげたチョコもまだ残っているけど箱に入っているから中身は見えない。



そうなると叶斗さんが見ているものは、ハートの形をしたチョコレートしかなかった。


まだ手を付けてないから【そらくんへ。ハッピーバレンタイン】の文字もしっかりと見えている。


「こっ、こんな恥ずかしいものを見せられません!見なかったことにしてください。あはは……」


そのチョコを隠すように冷蔵庫のドアを急いで閉めた私は苦笑いをして誤魔化す。




「……懐かしいね」


「えっ……?」


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