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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ

浴室から叶斗さんが出る前に急いでバスタオルと着替えを準備をして脱衣所にそっと置いておいた。
代わりの服はソラ先輩のものを借りてきた。
特にこだわりもないみたいだし、父親のことは嫌いでなさそうだったから怒られないはず。
時計を見ると午後六時を過ぎている。
晩御飯もご馳走するべきなんだろうか……。
私なんかの料理で失礼がないか迷ったけど、できる嫁だと思ってもらいたいから台所に立って作ることにした。
晩御飯を作り始めた時、叶斗さんが浴室から戻ってきてニッコリと笑い掛けてくる。
「着替えまで用意してくれてありがとね。ところで塑羅緒はまだ帰って来ないのかな?」
「もう少しで帰ってくると思います」
「そうか。来るついでに風子ちゃんのことを迎えに行って欲しいって頼まれたんだけどね、ここまで遅くなるなら賢明な判断だったね。
こうやってご飯を作って待っていてくれるんだから塑羅緒は幸せ者だな」

