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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ

「ありがとうございます。奥さんのお名前はなんでしょうか?」
信号待ちの時に運転手から渡された手帳にすらすらとサインを書き、相手の名前まで入れてファンサービスをしている。
彼氏の父親がこんなにも有名人だと言うのに、知らなかった自分が恥ずかしいとつくづく思う。
マンションに着いてから叶斗さんに自宅へと案内した。
ソラ先輩の家族が来るのは初めてで、自分の知り合いが来る時よりもずっと緊張する。
「急にお邪魔して申し訳ないね。水たまりを踏んで靴下まで濡れているから裸足で失礼するよ」
靴下を脱いでから冷たい床へと上がった叶斗さん。
傘に入れてもらった時に私が恥ずかしがって近づかなかったせいでスーツもびっしょりと濡れていた。
激務な仕事をしている彼に風邪を引かれては大変だ。
「あの……、シャワーを浴びますか?」

