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愛おしいキミに極甘な林檎を
第54章 想いと青春の絆



「それは私の台詞だって……」


テーブルに届いてから手をつけずに話していたら、温かいスープの湯気が立ち上らなくなっていた。


スプーンですくって少しだけ喉に流し込んでもぬるい。


女友達はご飯とハンバーグ、そしてサラダとスープも食べているのに、私が頼んだのはスープだけだった。



「彼氏との婚約はどうなったの?ここまで大騒ぎになったんだもんね。社長にとっても大きなダメージを受けただろうし、流石に延期か破棄になっちゃった?」


「……ううん。なってないよ」



「そうなの!?有名人のニュースとか見てると結婚が延期か破談になるじゃん。……って、本当のこと話しにくいよね。気を遣わなくてごめんね」


「今答えたのが本当のことだから気にしないで」



「風子はいつもがっつり食べてからデザートも注文するのに今日はスープしか頼まないし、食欲ないほど落ち込んでいるんでしょ?それか妊娠した……?」


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