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愛おしいキミに極甘な林檎を
第54章 想いと青春の絆



『大事な親友と後輩が叩かれてんだぜ?あんなに酷く言われていて友として黙って見てられねぇって!

この騒ぎをパソコンとスマホに張り付いてぶっ潰しておくから、塑羅緒はあんなでたらめな噂を流したクソ野郎に負けるなよ』



海田先輩は高校生の頃からパソコンやインターネットに関して長けている人だった。


この話の流れから推測すると、海田先輩が人を動かすような意見を書き込んだのだと思う。



「……ありがとう。おかげで元気が出たよ」


『きっとここまでしたいほど塑羅緒を妬んでる奴は身近にいると思うな……。同じ会社のヤツか?』


「さあ、どうなんだろうね」



『とりあえず、治まるまでもう少しだと思うから頑張れ。おれの連休は、大型SNSとこの噂が載っているサイトに張り付いてさっさと鎮静化させることに使う。グッドラッグ、塑羅緒アンド風子ちゃん』



幸運を祈られた後にその電話は切れた。


意外な人からの意外な電話だった。


海田先輩の声が聞こえなくなった後、降り続いている雪が気になるほど急に静かになる。


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