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愛おしいキミに極甘な林檎を
第54章 想いと青春の絆

電話の相手は、高校時代に同じ部活に入っていた海田(カイダ)先輩。
ソラ先輩の親友でもある。
『風子ちゃんのこと、手放したりしてないよな?』
「うん。もちろん風子のことは離さないようにしっかり掴んでるよ」
実際に私がこれ以上逃げ出さないよう、スマホを持っていない反対の手でお腹に触れられてしっかりと捕まえられている。
おかげで雪が降り続くほど寒い外にいても背中がとても温かい……。
ソラ先輩が私がすぐ近くにいることを話すと、スピーカーにしろと海田先輩に指示されて三人で会話することになった。
『ハッピーニューイヤー!風子ちゃん、婚約おめでとう!塑羅緒から結婚するって聞いてたよ。うちの奥さんもきゃー!って黄色い声を上げて喜んでた』
「ありがとうございます……」
『やっとおめでたい話が出たのに、ネット上で大変なことになってるみたいだねぇ。婚約者と言ったら風子ちゃんだろ。
あまりにも酷く書かれていたから、おれもうちの奥さんもびっくりした』

