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愛おしいキミに極甘な林檎を
第54章 想いと青春の絆

とても懐かしい話にこくんと首を縦に振る。
つらい記憶を思い出してどんなに傷ついても、私はソラ先輩と一緒にいることを選んだ。
悲しい事と比べ物にならないくらい、一緒にいる時の方がずっとずっと幸せだから。
「前にも言ったと思うけど、俺は風子がいれば何も怖くないから。どんなにつらいことがあっても立ち上がれるし、傷ついてもどうってことないよ」
多くの人に侮辱されているのに……。
どうして……。
「それは他人に傷つけられた場合でしょ……?今回のことは全部私のせいなんです。全部、全部私が悪いんです!
ソラ先輩との約束を破るから、私が人を疑わないで信じようとするから、普通の生活を送れないほどこんなに大騒ぎになって……。ソラ先輩に沢山迷惑を掛けて……。だからこれは、私の罪なんです!」
心に溜めていたことを涙ぐみながら話すと、重ねられていたソラ先輩の手に力が入った。
「そこまで言うなら、償って」
「えっ……?」
「風子が感じている罪を償えって言っているんだよ」

