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愛おしいキミに極甘な林檎を
第54章 想いと青春の絆



涙を拭ってから、今いる場所を伝えようとしてメッセージを書き始める。

でも周囲を見渡しても家しか建っていないし、ここの地名さえも分からない。


なんと伝えようかスマホの画面を見て考えている時、急に背中にずしりと重さがのしかかる。



「逃げるなって」


着ているコートで体を包むように抱きしめられて優しい温かさを感じてから吐息交じりの声が聞こえてきた。


呼吸が乱れているからきっとソラ先輩は走って私を探していたんだと思う。



「風子がどこに行くかなんて大体予想がつくから。逃げても無駄だよ」


「だって……、つらいんですっ……。今起きていることは私が全部悪くて……。私のせいでっ…、ソラ先輩がいっぱいつらい思いをしているから……。もう…傷ついて欲しくないのに……」


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