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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

「…………。風子こそ、どこに出掛けていたの?実家?」
私の質問に答えないで逆に聞いてくる。
これはきっと言えないような場所に行っていたのかな……。
大人の男が行く彼女に話せないようなところと言えば、女関連の場所しか思い浮かばない。
異性関係のことで今までたくさん傷つけた私が悪いから、何も言えなくて目に涙が浮かび始めてくる。
「駅前に出掛けたら那砂さんと会ったので、理人さんも入れて三人で買い物してきました。他の知り合いには合いませんでしたし、何もないですから心配しないでください」
「そうなんだ。もっとゆっくり遊んできても良かったんだよ?」
「どうしてそんなことを言うんですか?私に帰ってきて欲しくない理由があるって言うんですか」
「……そういうわけじゃないけど」

