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愛おしいキミに極甘な林檎を
第50章 pallidus memoriae*儚い恋と永久の愛

手を離した後、塑羅緒さんは「またね」っと言った。
“さようなら”という言葉は使いたくないのか私には言ったことがない。
高校生の頃からまた次があるように言って別れる。
でも、今日会って話してもスマホに連絡は来なかった。
もちろん私から連絡を取るつもりもない。
偶然会っただけだから、きっと今後も会うことはないように思えた。
それから三ヶ月後。慌ただしい日が続いて目の前のことをこなすことで精一杯だった。
子供を寝かしつけた後、夫に手招きされて行くと膝の上に座るように乗せられた。
「最近夜じゃなくても眠そうな顔をしているけど大丈夫か?」
「はい。新しく始めた仕事で覚えることがいっぱいなのかもしれません」
「そうか。疲れているようだし、今晩するのはやめておくか」

