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愛おしいキミに極甘な林檎を
第41章 あなたがいない



進展があったのはその数日後。

腕時計を見るともう定時を過ぎていた。



別室で仕事を終えてからデスクに戻る途中で課長と鈴川さんが楽しそうに話しているところを見掛けた。


最早、私より仲がいいのでは……。


見た時にただそう思っただけでさっさとデスクに戻って帰り支度をする。




女子更衣室に行ってロッカーを開けてトレンチコートを羽織った時、廊下から鈴川さんの声が聞こえた。



「乙羽さんも帰ったんじゃないですか?だから誰も来ないです」


ぼやけたガラスのドア窓に映ったのは身長差のある二人。


よく見えないけど、身長の高い方の人のシルエットは短髪だった。


鈴川さんが九割の確率で男だろう。



聞こえてきた言葉から推測して、私はここにいていけない気がする……。


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