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またいつか貴方と
第29章 聡くんの最期
夕方6時前
うちの前が騒がしい。
うちじゃない。聡くんの家の前だ。
『聡ーーーー!』
お母さんの泣いている声がして
私は玄関を飛び出して家の前に出た。
黒い服を着た人が大きな箱を抱えて
家の中に入っていく。
その隣には泣きながら叫んでいるお母さん。
それを支える蛍子ちゃんと真也さん。
「あの...」
『沙綾入りな。顔みてやって。
今日お通夜で明後日葬儀になりそうだから。』
蛍子ちゃんは泣いているけど取り乱すことなく
耐えながら話してくれている。
私はお母さんとおじゃましてリビング横の
和室へ通された。
リビングでは蛍子ちゃんと真也さんが
黒い服の人と話している。
お母さんは聡くんのお母さん肩を抱き
大丈夫と声をかけていた。
『真理子...っ聡が…』
『うん。辛いよね。でもさ、
聡くん精一杯頑張ったんだよ。
だからゆっくりさせてあげよう。』
私は蛍子ちゃんに呼ばれ箱の隣に座った。

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