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第1章 失われた時間

気落ちしたまま、本来の仕事に取り掛かる。
文章の推敲、校正、そしてメモから文章に挙げたほうがよいと思われる情報が落ちてしまってないか、
もっと興味をそそる書きっぷりは出来ないか。

自分の興味が削がれた記事を、人の興味を惹くように仕上げるなど不毛だと、自嘲しながら校正していく。

性格的にも不向きだと思う。目新しいもの、世を賑わす噂、そんなものに元々興味がないのだから…

でも、あの人の…
たった数ヶ月の時間を共有した彼を…
探したいから…
不向きな仕事、能力にそぐわない仕事を懸命にこなしていくのだ。